■多重世界/並行世界/世界を渡るという考えについて/世界の理について■
世界はいくつもの可能性によって数多の並行世界が存在している。
もしある人物が突然超能力に目覚めたら。
あるいは別の人物が突然超能力に目覚めたら。
はたまた誰も何の能力にも目覚めなかったら。
もし工事現場で起こった不幸な事故である人物が死んでしまったら。
あるいは奇跡的に誰も死者が出なかったら。
そんないくつもの「もしも」のぶんだけ世界が存在する。
ただ、世界に大きな変化が生まれるほど些細な「もしも」では世界が増えることはなく、いくつかの重要なポイント、世界の「分岐点」なるものがある。
分岐点から世界が増え、以降別の分岐点でまた増え、世界は樹状に広がり続けている。
どの世界の分岐でもなく、例えるなら「出発点」となるゼロの世界はまた別で生成されることもあり、その世界が更に分岐し、更に……と、世界は無限に存在している。
それが並行世界や多重世界という概念であり、この世界の大前提。
そんな沢山の世界線を「渡る」ことができる者もいる。
それが主に「魔女」と呼ばれる職業の者。
(魔女については長くなるのでまた別項で)
世界を渡るにおいて重要となるのが、「世界の理」
破ってはならない、破ることができない世界の理。
もしも犯せば、あるいは偶然にも「世界の不具合」として破る存在が生まれてしまったら――
その存在が消滅してしまったり、その世界そのものが終わってしまったりする。
そんな「世界の理」の最たる例であり、世界を渡る際に最も重要となる理が、「同一人物が同じ世界に存在してはならない」というもの。
たくさんの「もしも」から世界が分岐するということはつまり、「もしも」の数だけ別の人間や存在が生まれてしまう、ということ。
ごくよく似た世界には、当然多少の差異はあれ「同一人物」が存在する。
この「同一人物」は同じ世界線に存在してはならない。
この理は頻出問題なのでノートを取っておくように……(´ω`)
もしも同じ世界に同一人物が自然に生成されてしまった場合は、片方の存在が消えてしまうか、片方が別の世界にはじき出されしまうか、あるいは両方とも存在が無かったものになってしまうか、たいていはそのいずれかになる。
もし世界を渡る者によって別の世界から同一人物がやってきた場合、どちらかが別の世界にはじき出されるか、どちらかがどちらかに「上書き」され片方の存在が消えてしまうか、たいていは外から来た者が元居た人格や記憶をある程度奪う形で「上書き」することになる。
ただ、それはあくまで「その世界に存在し、世界の理の元に管理されている者」から観測した話であり、実際には「不具合が修正された世界」と「そもそもそんなことは起きなかった世界」に分岐した上で「不具合が起きてしまった世界」は終了している。
例えば「同一人物が自然に生まれてしまった場合」は「片方が別の世界に行き片方のみが存在している世界」と「そもそもその人物が生まれなかった世界」といったふうに分岐する。
そして「不具合が起きた世界」は終了するが、当事者以外の記憶や存在、概念は上記二つの世界に引き継がれ、全く同じ存在として継続する。
しかし、その例に漏れる存在も少なからず居て、例えば世界を渡る力を持つ「魔女」やその他の種族、世界の狭間に生きる種族、あるいは例外的に引き継ぎ処理が上手くいかなかった者、等々。
世界は世界の理に基づきながら勝手に動作している。
分岐点云々も本来は世界の理に基づいて分岐しているはずだがその辺の細かいところは解明されていないのでよくわかっていない。
そのため、世界の理からはじき出された存在だとか、例外的な存在だとか、なんか色々居るのでそんなに気にしてはいけない話かもしれない。
ちなみに、過去の自分や未来の自分も同一人物であることからタイムトリップを行うことは難しい。
(タイムトリップを行うことそのものがまず難しいが、どれほど上位の力を持つものであっても過去や未来の自分が存在する世界に干渉を行うことは難しい、という話)